最高裁判所第一小法廷 平成8(さ)7 判決
主 文
原略式命令を破棄する。
被告人を罰金五万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五〇〇〇円を一日に換算し
た期間被告人を労役場に留置する。
理 由
本件記録によると、飯塚簡易裁判所は、平成八年三月二二日、被告人に対する道
路交通法違反被告事件(同庁平成八年(い)第一〇三八一号)について、「被告人
は、酒気を帯び、呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラム以上のアルコールを身
体に保有する状態で、平成八年一月三日午前一時一五分ころ、福岡県飯塚市ab番
c号付近道路において、普通乗用自動車(軽四)を運転した」との事実を認定し、
道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二、同法施行令四四条の三、刑法一八
条、刑訴法三四八条を適用して、「被告人を罰金一〇万円に処する。右罰金を完納
することができないときは金五、〇〇〇円を一日に換算した期間(端数を生じたと
きはこれを一日に換算する)被告人を労役場に留置する。第一項の金額を仮に納付
することを命ずる。」旨の略式命令を発し、この略式命令は平成八年四月一二日確
定したことが認められる。
しかしながら、道路交通法一一九条一項七号の二、六五条一項によれば、酒気帯
び運転の罪に係る罰金の法定刑は五万円以下であるから、これを超過して被告人を
罰金一〇万円に処した右略式命令は、法令に違反し、かつ、被告人のため不利益で
ある。
よって、刑訴法四五八条一号により、原略式命令を破棄し、被告事件について更
に判決する。
原略式命令の確定した事実に法令を適用すると、被告人の行為は道路交通法一一
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九条一項七号の二、六五条一項、同法施行令四四条の三に該当するので、所定刑中
罰金刑を選択し、その所定金額の範囲内で被告人を罰金五万円に処し、右罰金を完
納することができないときは、刑法一八条により金五〇〇〇円を一日に換算した期
間被告人を労役場に留置することとし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判
決する。
検察官高村七男 公判出席
平成八年九月五日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 井 嶋 一 友
裁判官 小 野 幹 雄
裁判官 高 橋 久 子
裁判官 遠 藤 光 男
裁判官 藤 井 正 雄
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